6月園長だより
過日亡くなられた文化勲章受章者、作曲家の船村徹氏は
昭和32年から女子刑務所の慰安を行っておられました。
以下の詩に作曲してご自分でギターを奏で、歌われた歌を
聴く機会がありました。
のぞみ(希望)
作詞・作曲・歌 船村 徹
ここから出たら 母に会いたい
おんなじ部屋で ねむってみたい
そしてそして 泣くだけ泣いて
ごめんねと 思いっきりすがってみたい
ここから出たら 旅に行きたい
坊やをつれて 汽車にのりたい
そしてそして おもいっきり抱いてやりたい
ここから出たら 強くなりたい
希望を持って 耐えていきたい
そしてそして 命のかぎり
美しく もう一度生きていきたい
5月の園長だよりでは、少年刑務所に収監
されている少年の一行の詩とその背景に
ついて書きました。6月号は女性受刑者を
長いこと慰安されていた船村氏が彼女達の
気持ちになって作られたこの歌は私が聞い
てもとても静かな思いやりのある演奏で感動
しました。これを聞いた女性たちは感涙に
むせび、早くこの願いがかなうようにと念じ
たに違いありません。こういった女性は極
わずかでしょうが母への思い、子どもにかける
思い、美しく生きたいと思う心は皆同じです。
他山の石としなければなりません。