すいとん作り~年長~
幼稚園で作った小麦を脱穀して、業者さんにお願いし、小麦粉にしてもらい、それを子ども達がこねて、すいとんにして食べる。
という、白鳥農園がないとできない五感をフルに使った活動です。
子ども達は粉の状態の時から、匂いをクンクンと嗅いだり、触ったりして、
「匂いなーい」
「さらさらしてる~」
と、小麦粉の感触を楽しんでいました。
それに水をまぜると、
「今度は良いにおーい」
「パンみたい!」
「ぷにぷにの粘土みたい!」
と、変化に気づき、楽しんでいました。
すいとんが完成し、お昼のときに出てきたときも、
「いい匂い~」
「まずは汁から」
など、それぞれの楽しみ方で食べていたようです。
野菜もがんばって食べることができ、とても良い活動になったと思います。
今は食べ物を作る「作り手」と、それを買って食べる「食べ手」との間に何の関係もなく、食べ物を作るまでの苦労や大変さをなかなか知る機会がありません。
だから、なかなか当たり前のように出てくる食事に対しても感謝の気持ち、食べ物を残さず大事にしようとする気持ちがわきづらいのかもしれません。
農園の作業を通して、その一端を知ることができると、同じ小麦粉でも、「自分で蒔いた、自分で水をあげた、自分で脱穀した」特別の小麦粉になります。
そして、皆で調理をする共体験や、苦手だった野菜でも、先生や自分の周りにいるお友達がおいしそうに食べているのを見ると、「おいしいのかも?」と思って、何となく食べてみようかなという気持ちになってきます。食べられたときは先生もお母さんも大喜びです。その子自身も大きな自信になり、次の成長につながっていきます。
調理した食べ物の入った鍋は、毎回ほとんど空っぽになって事務室に戻ってきます。
そして、子ども達は笑顔で「ごちそうさまでした。おいしかったです!」と言いに来てくれます。
畑を普段気にかけてくれたバスの先生にもです。子ども達にお礼を言われると作り手の補助をしたバスの先生も、調理の仕上げをした事務室の先生方もとても嬉しくて、ニコニコの笑顔になります。「また、子ども達のために頑張ろう」という気持ちになります。
白鳥農園の活動を通してこうした食べ物に対する愛着やそこにかかわる人達への感謝の気持ちをこれからも育んでいきたいと思います。